女ひとり Jeanne Eagels 1957
媚薬 Bell, Book and Candle 1958
現代のニューヨークに住む魅惑的な魔女が人間の男性と恋に落ちるオカルトチックな恋愛ものの佳作で、「めまい」のジェームズ・スチュワート&キム・ノヴァクの共演が楽しめる。セックス・アピールや妖艶さというノヴァクの持ち味が十分に活かされている。
|
真夜中 Middle of the Night 1959
妻を亡くし老境に差しかかった縫製会社の中年社長と、離婚したばかりの若い女従業員という、孤独に身を寄せ合う2人の恋愛ドラマ。ブロードウェイの舞台劇の映画化。
|
裸の夜明け (日本未公開) The Naked Dawn 1955
B級映画の雄ウルマーの超低予算を逆手に取ったメタフィジカルな現代版西部劇の傑作。アーサー・ケネディふんする主人公の盗賊に内在する二面性の精神(優しさと暴力性)が、己の贖罪と引き換えに、投宿した農場の若いメキシコ人夫婦の未来を切り開く。フランソワ・トリュフォーがこの映画にインスパイアされて「突然炎のごとく」を撮った話は有名。
|
馬泥棒のバラード (日本未公開) Romansa konjokradice 1971
日露戦争が開戦、帝政ロシア軍に占領されたポーランドの村で村中の馬が徴収される。馬の盗難売買で生計を立てる村人は結束し、皇帝の名を騙って感染症発症馬と偽り取り返す。赤狩りを生きた強靭な天才映画作家ポロンスキーの遺作にして、詩的で美しくコミカルでリズミカルな叙事詩。占領軍の騎兵隊長にY・ブリンナー、フランス帰りの反戦啓蒙運動家にJ・バーキン。仏・伊・ユーゴ合作。
|
タンタンとトワゾンドール号の神秘 Tintin et le mystère de la Toison d'or 1961
頭脳明晰、運動神経抜群の少年記者タンタンが活躍する漫画「タンタンの冒険旅行」の実写映画化。タンタンの親友ハドック船長は、宝の秘密が隠されたオンボロ船を譲り受ける。イスタンブールやアテネでの美しいロケも見もの。
|
モンプチ わたしの可愛い人 Monpetit 1957
若きロミー・シュナイダーの超絶的な可愛らしさが炸裂したパリが舞台の皮肉な青春純愛映画。監督はドイツの娯楽映画の巨匠コイトナー。
|
納税者学校 (日本未公開) L'école des contribuables 1934
70~80年代のフランスで流行した“ナナール(お色気おバカ映画)”のノリ。金利生活の男が、脱税を斡旋する納税者の学校を開き、課税査定官の義父と浮気性の妻に一泡吹かせる。ロイド眼鏡をかけた校長をとりまく美人秘書たちのセクシーな衣装もナンセンスぶりに拍車をかける。監督のギッサールは無声時代の名キャメラマンで、トゥールヌールやオフュルスとも仕事をしている。
|
踊らん哉 Shall We Dance 1937
情熱的なラテン・ナンバー“カリオカ”で息の合ったタップダンスを披露した「空中レヴュー時代」に始まるアステアとロジャースのコンビは、サンドリッチが監督したRKOのミュージカル、「トップ・ハット」(35)と「踊らん哉」(37)で頂点を極める。映画史に燦然と輝く永遠のコンビによる美しいダンスに酔いしれる。
|
トップ・ハット Top Hat 1935
情熱的なラテン・ナンバー“カリオカ”で息の合ったタップダンスを披露した「空中レヴュー時代」に始まるアステアとロジャースのコンビは、サンドリッチが監督したRKOのミュージカル、「トップ・ハット」(35)と「踊らん哉」(37)で頂点を極める。映画史に燦然と輝く永遠のコンビによる美しいダンスを堪能できる。
|
十字路 (日本未公開) Carrefour 1938
カーティス・バーンハートのフランス時代の一本で、フランス映画黄金期の二大大物俳優C・ヴァネルとJ・ベリーの顔合わせが見もの。戦争中に記憶を失い、戦後、大企業家として成功している男が、実は死んだとされている戦犯で、かつて彼と恋仲だった女の情夫が彼のもとにゆすりに現れる、ポスト・フィルム・ノワール的な心理ドラマ。ハリウッドで「Crossroads」(42)(日本未公開)としてリメイク。
|
桜草の丘 (日本未公開) Primrose Path 1940
“桜草の丘”と呼ばれる部落に住む貧しい娘が、町のレストランで働く若者と、一悶着ありながらも偏見を乗り越えて結ばれる恋愛ドラマ。
|
メロ (日本未公開) Mélo 1932
アンリ・ベルンスタインの戯曲「メロ」を映画化したドイツ語版「夢見る唇」のフランス語版。後年、アラン・レネによってリメイクされる。2人の男の間で葛藤するヒロインをギャビー・モルレーが艶やか、かつ繊細に演じている。彼女ならではの、あのくたびれたような妖艶な視線が印象的。
|
空中レヴュー時代 Flying Down to Rio 1933
脇役ながら、情熱的なラテン・ナンバー“カリオカ”で息の合ったタップダンスを披露した“アステア&ロジャース”。不滅のコンビの伝説はここから始まる。
|
ママは独身 (日本未公開) Bachelor Mother 1939
ひょんなことから孤児院の前に捨てられた赤ちゃんのママになってしまったジンジャー・ロジャースと、彼女が従業員として働く有名デパートの社長子息で赤ん坊に対して世話焼きなデヴィッド・ニーヴンが織り成すロマンチック・コメディの快作。ニューイヤー・イヴのパーティの席で、身分を装ったロジャースがデタラメなスウェーデン語で会話するくだりは爆笑必死間違いナシ。
|
第3逃亡者 Young and Innocent 1937
ヒッチのイギリス時代の1本で、罪を着せられた無実の男が逃亡しながら真犯人を探す、ヒッチの十八番である“巻き込まれ型サスペンス”。気軽に楽しめる好編だ。
|
海底の大金塊 (日本未公開) City Beneath the Sea 1953
一攫千金を夢見る男たちが、海底に沈む古代都市の廃墟から黄金を引き揚げる。「征服されざる西部」に続いてR・ライアンが主演するベティカーの活劇だが、前者では権力欲にとりつかれ悪に身を滅ぼす元南軍兵士を強烈な存在感で演じていたが、ここでは実直な正義漢をユーモアも交えて好演している。
|
五番街の女 (日本未公開) 5th Ave Girl 1939
同じラ・カーヴァによる貧困層が富裕層を教育しなおす格差社会風刺劇「襤褸と宝石」の女性版。ロジャースがアステアとのコンビを解消し演技派に転向しはじめた頃の一作で、現役引退を決めたニューヨーク5番街にある大企業の老社長が、その日暮らしの若い娘を愛人として雇い、上流社会の生活に慣れきった妻子の麻痺した感覚を叩きなおすロマンチック・コメディの秀作。
|
彼女の戦術 Chance at Heaven 1933
ジンジャー・ロジャースが、アステアと組んで売れ出す直前のロマンチック・コメディの小品で、彼女の初々しい一面が見られる。田舎のガソリンスタンドで働く誠実な若者(ジョエル・マクリー)が都会の富豪娘(マリアン・ニクソン)にのぼせ上がり、許婚(ロジャース)との結婚を棒に振ってしまうが・・・
|
間諜最後の日 Secret Agent 1936
ヒッチのイギリス時代の作品。英国の秘密諜報員がナチスのスパイを追う。雪山での誤殺場面で、ホテルの部屋で待つ犬が主人の死を直感し悲痛な叫びを上げる様子をカットバックでみせる手法は、絶妙な恐怖の効果を上げる。パンチパーマに黒塗りの風貌で誤殺をゲラゲラと笑いとばず、主人公を補佐する冷血漢なメキシコ人将軍役のピーター・ローレの怪演が見せ場を片っ端からさらう。
|
カイロ中央駅 Bab al-hadid 1958
都心の駅で物売りをして働く貧しい人々の生活を背景にしたニューロティックなエジプト製サイコ・スリラー。アラブ映画界を牽引してきたシャヒーンの、主題への現代的アプローチも目を引くリアリズムみなぎる力作。
|
最後の偵察 The Last Flight 1931
空軍パイロットとして過酷な戦争を経験し、戦後の虚脱感から抜け出せない青年たちがパーティや旅に明け暮れ行き場のない日々にもがく群像劇。ウェルマンの「つばさ」(27)やホークスの「暁の偵察」(30・アカデミー脚本賞)の脚本も手がけた航空作品の大家ジョン・モンク・ソーンダースが自作の小説を下敷きに書き下ろした秀作。ディターレの30年代前半のワーナー作品は粒揃い。
|
お茶と同情 Tea and Sympathy 1956
ブロードウェイの大ヒット劇の映画化。学生寮を舞台に、気の優しい青年と彼の唯一の理解者である寮長婦人の心の交流を描く。ミネリらしいリアリスティックな演出に拍車をかけるかのような、ジョン・カーと共に舞台でも同じ役を演じ、まさに当たり役となったデボラ・カーの女性の繊細な内面心理の表現力に胸を打たれる。
|
ファラオの恋 Das Weib des Pharao 1922
ドイツ・フィルム・アーカイヴ、ジョージ・イーストマン・ハウス、ミュンヘン映画博物館の共同作業によるデジタル復元版。ルビッチだから艶笑的かと思ったら大マジメで、頭がモジャモジャのP・ヴェゲナーふんするエチオピア王が大軍を率いてファラオの宮殿に攻め込む場面は壮大なスケール。無声時代のルビッチ映画の主人公は、艶笑喜劇でなくてもみんなエロい顔に見える(笑)。
|
君と暮せば Sonnenstrahl 1933
「メトロポリス」(27)のG・フレーリッヒとフランスの大女優アナベラが主演で、世界を股にかけて映画を撮ったフェヨスのオーストリア時代の一本。貧困から投身自殺を決意した男とその男の目の前で身投げした女の出会いを通して、“愛があれば生きていける”と高らかに謳う、人間性の本質を見つめた人生賛歌。ふたりが結ばれる教会の天窓から差し込む一条の光が、原題の“日の光”を象徴している。
|
黒水仙 Black Narcissus 1946
パウエル=プレスバーガーのコンビらしいテクニカラーによる凝った映像美と色彩感覚、技術面の水準の高さ。布教先のヒマラヤ山麓の神秘的な気候のせいで清純な心の裏で信仰を忘れ次第に情欲に駆られていく、この作品の成功でハリウッドへ進出したデボラ・カーの尼僧姿の透き通るような美しさに接することができる。
|
ドーヴァーの青い花 The Chalk Garden 1964
殺人にまつわる悲惨な過去を背負い込んだ家庭教師役のデボラ・カーは、母親の愛情に飢えた娘と娘への愛情に飢えた老婦人の橋渡し的な役割を、内面の動きを見事に反映させた繊細さで演じのけ、当たり役だった「お茶と同情」同様、見る者の心を大きく揺さぶる。ミステリー仕立ての感動のドラマだ。
|
プリーズ・ビリーヴ・ミー (日本未公開) Please Believe Me 1950
遺産相続でテキサスの広大な牧場を手に入れ、一躍時の人となった英国人女性(デボラ・カー)がアメリカに渡る船の中で3人の男に言い寄られるラヴ・コメディの快作。ハリウッド映画のこの“軽さ”がたまらない。
|
熱砂の女盗賊 The Adventures of Hajji Baba 1954
ペルシャの姫にふんしたエレイン・スチュワートの倒錯的な色気と、砂漠の岩山を縄張りとするトルコマン族の女盗賊集団のビキニ姿のエロティシズムがぷんぷんただよう、ウォルター・ウェンジャー製作による、立身出世を夢見る若き理髪師ハッジ・ババが古代ペルシャを舞台に繰りひろげる冒険活劇で、一部のシネフィルにカルト的人気を誇る。
|
ドリーム・ワイフ (日本未公開) Dream Wife 1953
この後、「めぐり逢い」(57)、「芝生は緑」(60)でも共演するグラント&カーのロマンチック・コメディ。美人外交官で仕事の虫の婚約者に愛想を尽かし、古風で“男性へのもてなし”を知り尽くした架空の原油国ブキスタンの王女との結婚を宣言する実業家。グラントとカーがキスをするとメロメロになって“地震が起きる(画面が揺れる)”ギャグは秀逸。
|
せがれのエドワード (日本未公開) Edward, My Son 1949
息子の幸福のために何事も辞さない父親のトレイシー、相反する母親のカーの演技合戦が見もので、ことカーについては、倹しい一般家庭の若妻からエレガントな成金夫人となり、後半、夫の束縛で重度のアルコール依存症に陥るまでを熱演。ガウンで屋敷を徘徊し、猫背で髪はボサボサ、顔全体に疲労が広がり、ろれつも回らない。見事オスカー候補になった。
|
悲恋の王女エリザベス Young Bess 1953
前年の同じG・シドニー監督、S・グレンジャー主演の剣戟作品「血闘(スカラムーシュ)」より断然面白い。壮大な悲恋物語で、情熱に生きる若きエリザベス1世にふんしたジーン・シモンズがただひたすらすばらしい。イギリス海軍提督で最愛の男性のグレンジャーが断頭台に送られ、その後、彼女が王位につくまで物語が弛緩なく進む。歴史劇の傑作。
|
愛ふたたび (日本未公開) Count Your Blessings 1959
第二次大戦中に女癖の悪いフランス人貴族(というより、浮気癖のあるフランス人という人種)と結婚してしまったイギリス人女性をコミカルに描いたロマンチック・コメディで、MGMのメトロカラーによる当時のパリとロンドンの町並みも美しい。デボラ・カーの美しさも特筆もの。
|
カリ・ユガ 第1部/復讐の女神 (日本未公開) Kali Yug, la dea della vendetta 1963
19世紀末のイギリス統治下のインドが舞台の、巨匠マリオ・カメリーニによるアドベンチャー大作の前編。流行り病の血清を村に運ぶ途中、台頭しつつある現地の反体制勢力による殺人が起き、その嫌疑をかけられた医師が逃避行を重ねながら真相解明に挑む。“復讐の女神”を演じるクローディーヌ・オージェのセクシーダンスがたっぷり拝める。
|
悪魔の眼 (日本未公開) Eye of the Devil 1966
「悲しみよこんにちは」(58)のデヴィッド・ニーブン、デボラ・カー共演の本格ホラー。広大なぶどう畑を所有する城の一族にまつわる血も凍るような掟を知っていくカーの演技が見もの。秘密を知らないまま、城主として城に呼び戻された夫の言動がおかしくなっていくことに不安を募らせていくプロセスが恐怖を増幅させる。
|
結婚専科 Marriage on the Rocks 1965
結婚19年目、一流広告会社の社長で仕事一辺倒の夫(シナトラ)を自分にまた振り向かせるため、新品の黒いネグリジェで気を引こうとしたりする気品ただようデボラ・カーがチャーミング極まりないロマンチック・コメディ。2度目の新婚旅行先メキシコで結婚と離婚を同時に斡旋するヘンな業者にふんしたシーザー・ロメロが爆笑もの。
|
クレオパトラ Le legioni di Cleopatra 1959
“アントニーとクレオパトラ”のロマンスを中心に描き、このジャンルに定番のセクシーダンスもきちんと拝むことができる(笑)。コッタファヴィのイタリア製ソード&サンダル映画には、「豪勇ゴライアス」(60)や「アトランティス征服」(61)といった傑作もある。
|
蒙古の嵐 I mongoli 1961
父チンギス・カンの意に背きポーランドに戦争をけしかけるため非道を尽くす息子オゴタイにふんしたジャック・パランスとその情婦アニタ・エクバーグの残忍な悪党ぶりが強烈なイタリア製アクション史劇。
|
眠るパリ Paris qui dort 1923
エッフェル塔を舞台にした、催眠光線によって“時間が止まる”アバンギャルド・コメディ。デビューしたばかりのクレールは、新進気鋭の映画作家として、兄のアンリ・ショメットと同じく斬新で実験的な前衛映画をつくる。
|
ユリシーズ Ulisse 1954
イタリアで撮られた映画だが、監督がカメリーニで、ハリウッド男優陣とハロルド・ロッソン撮影とくれば、ハリウッド製の正統派冒険活劇という面持ちが強い。史劇の格調と一つ目男や魔女といった神話的ファンタジーの融合。強弓をたやすく引きこなすダグラスの勇姿。ロッサナ・ポデスタも超可愛い。共同監督(クレジットなし)・脚本にセルジオ・コルブッチ。
|
マチステ対吸血鬼 (日本未公開) Maciste contro il vampiro 1961
コッタファヴィのようなファンタジックなバロック感を持つ職人監督ジェンティローモによる、イタリアの伝説の怪力男“マチステ”を主人公にしたシリーズの一作。共同監督にセルジオ・コルブッチ、脚本にはドゥッチョ・テッサリも参加。
|
カリ・ユガ 第2部/ヒンズー寺院の謎 (日本未公開) Il mistero del tempio indiano 1963
フリッツ・ラングの「大いなる神秘 2部作」と双璧をなす、30年代にヴィットリオ・デ・シーカ&アッシア・ノリスのコンビでイタリアのソフィスティケイテッド・コメディの黄金期を築いた巨匠マリオ・カメリーニによる、19世紀末のイギリス統治下のインドが舞台のアクション・アドベンチャー大作の後編。
|
夕陽特急 After the Thin Man 1936
W・パウエル&M・ロイ演じる名探偵ニックと夫人ノラが活躍する“影なき男”シリーズ(34~47)の2作目。サンフランシスコに戻ったふたりは、今度はノラの従弟の失踪・殺人事件に挑む。帰りの列車の中で、ノラがベビー用の靴下を編みながら妊娠をニックに謎解きさせるエピソードも微笑ましい。ゲストスターに駆け出しのJ・スチュワート。
|
地球を駆ける男 Too Hot to Handle 1938
特ダネをモノにすべく世界を駆け回るニュース映画の敏腕カメラマンにふんしたクラーク・ゲーブルと、南米で行方不明になっている兄の捜索を続ける女飛行士のマーナ・ロイが丁々発止のやり取りを繰りひろげる狂騒的なロマンチック・コメディ&アドベンチャー。マーナ・ロイのファンとしては、彼女が男まさりの役柄のため、クールで愛らしい魅力が半減してしまっているのが玉にキズ。
|
アイ・ラヴ・ユー・アゲイン (日本未公開) I Love You Again 1940
10年近く記憶をなくしていた男が記憶を取り戻し、記憶をなくしていたときに結婚している妻の愛を、記憶を取り戻した状態で取り戻す(離婚の危機を乗り越えて手に入れる)ため大奮闘する、「影なき男」シリーズ(4作目まで)の監督ヴァン・ダイク&W・パウエル&M・ロイによるスクリューボール気味のロマンチック・コメディ。周囲の人間が、記憶をなくしていた状態が本来の男の姿と思っている点がミソ。
|
世界拳闘王 The Prizefighter and the Lady 1933
ボクシングの元全米ヘビー級王者マックス・ベアが主演で、マーナ・ロイがナイトクラブで歌うギャングの情婦と献身的なボクサーの妻を演じ分ける恋愛ドラマ。名誉に溺れて浮気癖を身につけ大事な妻を失った主人公が、彼女の愛を取り戻すラストの一戦には、迫力のある対プリモ・カルネラ(当時のヘビー級王者)戦が用意されている。
|
ホエン・レディーズ・ミート (日本未公開) When Ladies Meet 1933
お互いに素性を知らぬまま鉢合わせになった、小説家で男女の三角関係を理想化する若くて気の強い“愛人”(マーナ・ロイ)と、結婚生活のベテランで道理を知り尽くしている“妻”(アン・ハーディング)の駆け引きがスリリングな恋愛コメディ。ラストで、現実を知ってしょんぼりしながらも、自分を一番に大事にしてくれるのは親友(R・モンゴメリー)だと気づくロイの表情が超カワユイ。
|
ラヴ・クレイジー (日本未公開) Love Crazy 1941
「結婚クーデター」(36)や「結婚十字路」(37)の監督ジャック・コンウェイ&W・パウエル&M・ロイの無敵トリオによる、誤解が誤解を生む乾いたギャグ炸裂のエキセントリックなロマンチック・コメディ。浮気の汚名を晴らすため母親に変装するパウエルの、ひげを落としてまでの女装が最大の見もの。
|
風車の秘密 The Thin Man Goes Home 1944
ニックとノラのおしどり名探偵が活躍する“影なき男”シリーズの第5作。休暇で帰省したニックの故郷で、風車の絵に隠された謎の事件に巻き込まれる。持ち前の名推理で父親(医者で探偵家業を嫌っている)と和解するエピソードも面白いが、全体的に地味な作り。演出は4作目までのW・S・ヴァン・ダイクから代わってR・ソープ。
|
登録:
投稿 (Atom)