踊らん哉 Shall We Dance 1937
トップ・ハット Top Hat 1935
情熱的なラテン・ナンバー“カリオカ”で息の合ったタップダンスを披露した「空中レヴュー時代」に始まるアステアとロジャースのコンビは、サンドリッチが監督したRKOのミュージカル、「トップ・ハット」(35)と「踊らん哉」(37)で頂点を極める。映画史に燦然と輝く永遠のコンビによる美しいダンスを堪能できる。
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十字路 (日本未公開) Carrefour 1938
カーティス・バーンハートのフランス時代の一本で、フランス映画黄金期の二大大物俳優C・ヴァネルとJ・ベリーの顔合わせが見もの。戦争中に記憶を失い、戦後、大企業家として成功している男が、実は死んだとされている戦犯で、かつて彼と恋仲だった女の情夫が彼のもとにゆすりに現れる、ポスト・フィルム・ノワール的な心理ドラマ。ハリウッドで「Crossroads」(42)(日本未公開)としてリメイク。
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桜草の丘 (日本未公開) Primrose Path 1940
“桜草の丘”と呼ばれる部落に住む貧しい娘が、町のレストランで働く若者と、一悶着ありながらも偏見を乗り越えて結ばれる恋愛ドラマ。
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メロ (日本未公開) Mélo 1932
アンリ・ベルンスタインの戯曲「メロ」を映画化したドイツ語版「夢見る唇」のフランス語版。後年、アラン・レネによってリメイクされる。2人の男の間で葛藤するヒロインをギャビー・モルレーが艶やか、かつ繊細に演じている。彼女ならではの、あのくたびれたような妖艶な視線が印象的。
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空中レヴュー時代 Flying Down to Rio 1933
脇役ながら、情熱的なラテン・ナンバー“カリオカ”で息の合ったタップダンスを披露した“アステア&ロジャース”。不滅のコンビの伝説はここから始まる。
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ママは独身 (日本未公開) Bachelor Mother 1939
ひょんなことから孤児院の前に捨てられた赤ちゃんのママになってしまったジンジャー・ロジャースと、彼女が従業員として働く有名デパートの社長子息で赤ん坊に対して世話焼きなデヴィッド・ニーヴンが織り成すロマンチック・コメディの快作。ニューイヤー・イヴのパーティの席で、身分を装ったロジャースがデタラメなスウェーデン語で会話するくだりは爆笑必死間違いナシ。
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第3逃亡者 Young and Innocent 1937
ヒッチのイギリス時代の1本で、罪を着せられた無実の男が逃亡しながら真犯人を探す、ヒッチの十八番である“巻き込まれ型サスペンス”。気軽に楽しめる好編だ。
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海底の大金塊 (日本未公開) City Beneath the Sea 1953
一攫千金を夢見る男たちが、海底に沈む古代都市の廃墟から黄金を引き揚げる。「征服されざる西部」に続いてR・ライアンが主演するベティカーの活劇だが、前者では権力欲にとりつかれ悪に身を滅ぼす元南軍兵士を強烈な存在感で演じていたが、ここでは実直な正義漢をユーモアも交えて好演している。
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五番街の女 (日本未公開) 5th Ave Girl 1939
同じラ・カーヴァによる貧困層が富裕層を教育しなおす格差社会風刺劇「襤褸と宝石」の女性版。ロジャースがアステアとのコンビを解消し演技派に転向しはじめた頃の一作で、現役引退を決めたニューヨーク5番街にある大企業の老社長が、その日暮らしの若い娘を愛人として雇い、上流社会の生活に慣れきった妻子の麻痺した感覚を叩きなおすロマンチック・コメディの秀作。
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彼女の戦術 Chance at Heaven 1933
ジンジャー・ロジャースが、アステアと組んで売れ出す直前のロマンチック・コメディの小品で、彼女の初々しい一面が見られる。田舎のガソリンスタンドで働く誠実な若者(ジョエル・マクリー)が都会の富豪娘(マリアン・ニクソン)にのぼせ上がり、許婚(ロジャース)との結婚を棒に振ってしまうが・・・
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間諜最後の日 Secret Agent 1936
ヒッチのイギリス時代の作品。英国の秘密諜報員がナチスのスパイを追う。雪山での誤殺場面で、ホテルの部屋で待つ犬が主人の死を直感し悲痛な叫びを上げる様子をカットバックでみせる手法は、絶妙な恐怖の効果を上げる。パンチパーマに黒塗りの風貌で誤殺をゲラゲラと笑いとばず、主人公を補佐する冷血漢なメキシコ人将軍役のピーター・ローレの怪演が見せ場を片っ端からさらう。
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カイロ中央駅 Bab al-hadid 1958
都心の駅で物売りをして働く貧しい人々の生活を背景にしたニューロティックなエジプト製サイコ・スリラー。アラブ映画界を牽引してきたシャヒーンの、主題への現代的アプローチも目を引くリアリズムみなぎる力作。
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最後の偵察 The Last Flight 1931
空軍パイロットとして過酷な戦争を経験し、戦後の虚脱感から抜け出せない青年たちがパーティや旅に明け暮れ行き場のない日々にもがく群像劇。ウェルマンの「つばさ」(27)やホークスの「暁の偵察」(30・アカデミー脚本賞)の脚本も手がけた航空作品の大家ジョン・モンク・ソーンダースが自作の小説を下敷きに書き下ろした秀作。ディターレの30年代前半のワーナー作品は粒揃い。
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