法律なき町 Wichita 1955

何百頭もの家畜を運ぶ無法者のカウボーイ一味からの収益で財源を支えるカンザスの町ウィチタで、町の有力者たちと対立しながら、正義と法を第一に重んじる保安官ワイアット・アープ(ジョエル・マクリー)の拳銃が火を噴くB級西部劇。ジャック・ターナーはどちらかというと創意工夫や意外性のある演出でみせる監督だから、オモシロさという点でずば抜けている。

1955/テクニカラー/78分/ アライド・アーティスツ
(監)ジャック・ターナー (脚)ダニエル・B・ウルマン (撮)ハロルド・リプスタイン (音)ハンス・J・サルター (出)ジョエル・マクリー、ヴェラ・マイルズ、ロイド・ブリッジス、ウォーレス・フォード、ウォルター・コイ、ピーター・グレイヴス
May 31, 2009 (sun)

砂漠の怒り (日本未公開) Desert Fury 1947

妻を事故死と見せかけて殺害し一度は町を去りながらも訳あって帰郷したギャングと都会になじめず故郷に戻った若い女の一時的な心のふれあいを軸に、相棒を奪われ偏執的な嫉妬に陥るギャングの相方、ヒロインの幼なじみで殺人の証拠を突き止める保安官、ヒロインの母親でギャングと恋仲にあった賭場の女主人らが、2人の仲を引き離すべく重層的に絡み合うロバート・ロッセンの脚本が光る。

1947/テクニカラー/95分/ パラマウント
(監)ルイス・アレン (脚)ロバート・ロッセン、A・I・ベゼリデス、他 (撮)チャールズ・ラング、他 (音)ミクロス・ローザ (出)ジョン・ホディアク、エリザベス・スコット、バート・ランカスター、ウェンデル・コーリー、メアリー・アスター
May 31, 2009 (sun)

雄呂血 1925

ジョセフ・フォン・スタンバーグも夢中になったという、日本のサイレント期の剣戟映画を代表する阪妻プロ作品。悪党の濡れ衣を着せられ、矛盾した世の中の偽善に堪えるも、ついにはおびただしい数の捕り手に四方を囲まれる孤立無援の若き阪妻がくりひろげる殺陣のなんという凄まじさ。

1925/サイレント(活弁トーキー版)・モノクロ/75分/ 阪東妻三郎プロ
(製)牧野省三 (監)二川文太郎 (脚)寿々喜多呂九平 (撮)石野誠三 (出)阪東妻三郎、環歌子、森静子、中村吉松、中村琴之助、関操、春路謙作、山村桃太郎
May 30, 2009 (sat)

第八連隊の鼓手 (日本未公開) The Drummer of the 8th 1913

映画黎明期にハリウッドに巨大な撮影所の街“インスヴィル”を築き、製作者のもとで監督が映画を撮るという分業システムを最初期に取り入れた、グリフィスと並ぶハリウッド映画の立役者インスは、南北戦争に出征した太鼓打ちの少年の英雄的活躍と死を通し、映画を引きしめる固定ショットの的確さと、抒情性を抑えた反戦云々とも異質の純粋な悲劇性で観客を圧倒する。

1913/モノクロ&着色/28分/ ブロンコ・フィルム・カンパニー
(監・製)トーマス・ハーパー・インス (出)シリル・ガードナー、ミルドレッド・ハリス、フランク・ボーゼイジ
May 4, 2009 (mon)