ファラオの恋 Das Weib des Pharao 1922
君と暮せば Sonnenstrahl 1933
「メトロポリス」(27)のG・フレーリッヒとフランスの大女優アナベラが主演で、世界を股にかけて映画を撮ったフェヨスのオーストリア時代の一本。貧困から投身自殺を決意した男とその男の目の前で身投げした女の出会いを通して、“愛があれば生きていける”と高らかに謳う、人間性の本質を見つめた人生賛歌。ふたりが結ばれる教会の天窓から差し込む一条の光が、原題の“日の光”を象徴している。
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黒水仙 Black Narcissus 1946
パウエル=プレスバーガーのコンビらしいテクニカラーによる凝った映像美と色彩感覚、技術面の水準の高さ。布教先のヒマラヤ山麓の神秘的な気候のせいで清純な心の裏で信仰を忘れ次第に情欲に駆られていく、この作品の成功でハリウッドへ進出したデボラ・カーの尼僧姿の透き通るような美しさに接することができる。
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ドーヴァーの青い花 The Chalk Garden 1964
殺人にまつわる悲惨な過去を背負い込んだ家庭教師役のデボラ・カーは、母親の愛情に飢えた娘と娘への愛情に飢えた老婦人の橋渡し的な役割を、内面の動きを見事に反映させた繊細さで演じのけ、当たり役だった「お茶と同情」同様、見る者の心を大きく揺さぶる。ミステリー仕立ての感動のドラマだ。
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プリーズ・ビリーヴ・ミー (日本未公開) Please Believe Me 1950
遺産相続でテキサスの広大な牧場を手に入れ、一躍時の人となった英国人女性(デボラ・カー)がアメリカに渡る船の中で3人の男に言い寄られるラヴ・コメディの快作。ハリウッド映画のこの“軽さ”がたまらない。
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熱砂の女盗賊 The Adventures of Hajji Baba 1954
ペルシャの姫にふんしたエレイン・スチュワートの倒錯的な色気と、砂漠の岩山を縄張りとするトルコマン族の女盗賊集団のビキニ姿のエロティシズムがぷんぷんただよう、ウォルター・ウェンジャー製作による、立身出世を夢見る若き理髪師ハッジ・ババが古代ペルシャを舞台に繰りひろげる冒険活劇で、一部のシネフィルにカルト的人気を誇る。
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ドリーム・ワイフ (日本未公開) Dream Wife 1953
この後、「めぐり逢い」(57)、「芝生は緑」(60)でも共演するグラント&カーのロマンチック・コメディ。美人外交官で仕事の虫の婚約者に愛想を尽かし、古風で“男性へのもてなし”を知り尽くした架空の原油国ブキスタンの王女との結婚を宣言する実業家。グラントとカーがキスをするとメロメロになって“地震が起きる(画面が揺れる)”ギャグは秀逸。
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せがれのエドワード (日本未公開) Edward, My Son 1949
息子の幸福のために何事も辞さない父親のトレイシー、相反する母親のカーの演技合戦が見もので、ことカーについては、倹しい一般家庭の若妻からエレガントな成金夫人となり、後半、夫の束縛で重度のアルコール依存症に陥るまでを熱演。ガウンで屋敷を徘徊し、猫背で髪はボサボサ、顔全体に疲労が広がり、ろれつも回らない。見事オスカー候補になった。
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悲恋の王女エリザベス Young Bess 1953
前年の同じG・シドニー監督、S・グレンジャー主演の剣戟作品「血闘(スカラムーシュ)」より断然面白い。壮大な悲恋物語で、情熱に生きる若きエリザベス1世にふんしたジーン・シモンズがただひたすらすばらしい。イギリス海軍提督で最愛の男性のグレンジャーが断頭台に送られ、その後、彼女が王位につくまで物語が弛緩なく進む。歴史劇の傑作。
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愛ふたたび (日本未公開) Count Your Blessings 1959
第二次大戦中に女癖の悪いフランス人貴族(というより、浮気癖のあるフランス人という人種)と結婚してしまったイギリス人女性をコミカルに描いたロマンチック・コメディで、MGMのメトロカラーによる当時のパリとロンドンの町並みも美しい。デボラ・カーの美しさも特筆もの。
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カリ・ユガ 第1部/復讐の女神 (日本未公開) Kali Yug, la dea della vendetta 1963
19世紀末のイギリス統治下のインドが舞台の、巨匠マリオ・カメリーニによるアドベンチャー大作の前編。流行り病の血清を村に運ぶ途中、台頭しつつある現地の反体制勢力による殺人が起き、その嫌疑をかけられた医師が逃避行を重ねながら真相解明に挑む。“復讐の女神”を演じるクローディーヌ・オージェのセクシーダンスがたっぷり拝める。
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悪魔の眼 (日本未公開) Eye of the Devil 1966
「悲しみよこんにちは」(58)のデヴィッド・ニーブン、デボラ・カー共演の本格ホラー。広大なぶどう畑を所有する城の一族にまつわる血も凍るような掟を知っていくカーの演技が見もの。秘密を知らないまま、城主として城に呼び戻された夫の言動がおかしくなっていくことに不安を募らせていくプロセスが恐怖を増幅させる。
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結婚専科 Marriage on the Rocks 1965
結婚19年目、一流広告会社の社長で仕事一辺倒の夫(シナトラ)を自分にまた振り向かせるため、新品の黒いネグリジェで気を引こうとしたりする気品ただようデボラ・カーがチャーミング極まりないロマンチック・コメディ。2度目の新婚旅行先メキシコで結婚と離婚を同時に斡旋するヘンな業者にふんしたシーザー・ロメロが爆笑もの。
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クレオパトラ Le legioni di Cleopatra 1959
“アントニーとクレオパトラ”のロマンスを中心に描き、このジャンルに定番のセクシーダンスもきちんと拝むことができる(笑)。コッタファヴィのイタリア製ソード&サンダル映画には、「豪勇ゴライアス」(60)や「アトランティス征服」(61)といった傑作もある。
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蒙古の嵐 I mongoli 1961
父チンギス・カンの意に背きポーランドに戦争をけしかけるため非道を尽くす息子オゴタイにふんしたジャック・パランスとその情婦アニタ・エクバーグの残忍な悪党ぶりが強烈なイタリア製アクション史劇。
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