裏切りの密輸船 (日本未公開) The Gun Runners 1958
非情の時 Time Without Pity 1957
NHK衛星第2で放映されたときの録画(2002年5月)を引っぱり出してきて見直す。ロージーによる英国製の末期フィルム・ノワールの最高峰。アル中で絶望的な状況の中、息子の死刑撤回を求めて奔走する父親を演じるマイケル・レッドグレーヴの名演技が見もの。度肝を抜く凄まじいエンディングも、権力関係(ここでは落伍者と成功者の)が逆転するロージー映画の構図に見事に納まっている。
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ボディ・スナッチャー 恐怖の街 (日本未公開) Invasion of the Body Snatchers 1956
人間を複製する謎の生命体による侵略の恐怖(ジワジワとサスペンスが醸成される)とドン・シーゲルの歯切れのいいアクション演出が見事に合わさったSFノワールの名作。
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ジキル博士の娘 (日本未公開) Daughter of Dr. Jekyll 1957
マッドサイエンティストで満月の夜に狼男に変貌するアーサー・シールズ(名優バリー・フィッツジェラルドの実弟だ)の迷演技が炸裂した、B級映画のカルト的巨匠エドガー・G・ウルマーによる超経済的な演出による低予算ホラーの傑作。「宇宙船の襲来(日本未公開)」('58)のグロリア・タルボットがタイトルロールを演じるが、少しエラ骨の張った美形女優だけに催眠術で暗示にかかった演技などは結構ハマっている。
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西部の旅がらす Saddle of the Wind 1958
拳銃渡世の旅がらすだったが今では立派に牧場を営む兄(ロバート・テイラー)を慕いながらも、新品の拳銃を手に入れ、女ができると次第に有頂天になり遂には殺人を犯し村の平和を脅かすまでになるジョン・カサヴェテスの圧倒的な演技に目頭が熱くなる西部劇。花畑で兄弟が決闘する結末の意外性も魅力。主題歌「Saddle the Wind」をジュリー・ロンドンが歌い、ヒロインも演じる。
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Mr.アーカディン (日本未公開) Mr. Arkadin 1955
虚構性に満ちた夢魔的でバロックな演出が炸裂したウェルズ自身によるポスト「市民ケーン」('41)。ビデオ題「秘められた過去」、「アーカディン/秘密調査報告書」。
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硝煙 Great Day in the Morning 1956
RKO末期のテクニカラー西部劇。北軍に包囲された倉庫からロバート・スタック率いる南部派が煙幕をモクモクと放って轟音とともに奇襲突破する最大の見せ場は、監督ジャック・ターナー好みの創意工夫で魅せる展開といえる。流れ者のR・スタックは金儲け主義の男で、南北両派から嫌われるという設定も面白い。ヒロインにバージニア・メイヨ、ルース・ローマン。
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ファイブ・ガン あらくれ五人拳銃 Five Guns West 1955
低予算映画の帝王ロジャー・コーマンの処女作。その昔、テレビ東京の「シネクラブ」枠で放映されたノーカット字幕版のVHSを引っぱり出してきて見直す。南北戦争も終わりに近づく中、北軍の駅馬車を待ち伏せして密書と金貨を奪取すべく、5名のあらくれ者が絞首刑と引き換えに南軍陣地に送り込まれる。経済的な演出とエンターテインメント性が両立したコーマン流のB級西部劇だ。ヒロインにD・マローン。
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赤い砦 The Indian Fighter 1955
カーク・ダグラスが設立したブリナ・プロによる第1回作品で、インディアンと白人との和平をテーマにした西部劇。インディアン居住地を無事に通過するため幌馬車隊の指揮を執るK・ダグラスの男臭さが弾ける。ヒロインのスー族の酋長の娘にE・マルティネリ。金塊を狙う白人の悪玉にW・マッソー。テンポの良い演出はド・トス。
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星のない男 Man Without a Star 1955
有刺鉄線による柵が招いた牧場間の争いが元で弟を失った過去を持つ流れ者にふんしたカーク・ダグラスの男臭い魅力がプンプン弾ける骨太な傑作西部劇。主題歌を、「真昼の決闘」('52)や西部劇のTVシリーズ「ローハイド」('59~'65)のテーマ曲で知られるフランキー・レーンが歌う。共演にC・トレヴァー、J・クレイン、W・キャンベル。
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皆殺し砦 Fort Massacre 1958
インディアンに妻子を殺され、彼らに激しい憎悪の念を燃やす軍曹率いる疲弊しきった騎兵隊一行が、砂漠の断崖にある砦でインディアンと死闘を繰り広げる西部劇。憎悪に燃えるあまり、最後には仲間に撃ち殺される主人公の軍曹をジョエル・マクリーが好演している。
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