歩く死骸 The Waking Dead 1936
パリで一緒に Paris - When It Sizzles 1963
「シャレード」のパロディで始まり、「カサブランカ」のパロディへと傾れこむ、ジュリアン・デュヴィヴィエの「アンリエットの巴里祭」(52)を下敷きにした、ジバンジーに身を包んだ愛らしいオードリー主演の、よく言えば遊び心満載のロマンチック・コメディ。
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御誂次郎吉格子 1931
監督・伊藤大輔、撮影・唐沢弘光、主演・大河内傳次郎の黄金トリオによるサイレント末期のメロドラマチックな“鼠小僧”。その見事な語り口に驚く。
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悪の塔 La tour de Nesle 1955
大デュマの戯曲「ネールの塔」を映画化した怒涛のメロドラマ。ルイ10世治下の14世紀のパリ。王の居ぬ間に若い男を塔に連れ込んでは殺害し死体をセーヌに捨てる遊戯にふける王妃は、愛人との間にできた我が子をも殺めてしまう。王妃マルグリット・ド・ブルゴーニュにふんしたS・パンパニーニの豊満な裸体と厚化粧の重圧感、薄暗くジメジメした塔内部の退廃的な魅力、ジェヴァカラーの作為的な色彩。
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法律なき町 Wichita 1955
何百頭もの家畜を運ぶ無法者のカウボーイ一味からの収益で財源を支えるカンザスの町ウィチタで、町の有力者たちと対立しながら、正義と法を第一に重んじる保安官ワイアット・アープ(ジョエル・マクリー)の拳銃が火を噴くB級西部劇。ジャック・ターナーはどちらかというと創意工夫や意外性のある演出でみせる監督だから、オモシロさという点でずば抜けている。
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砂漠の怒り (日本未公開) Desert Fury 1947
妻を事故死と見せかけて殺害し一度は町を去りながらも訳あって帰郷したギャングと都会になじめず故郷に戻った若い女の一時的な心のふれあいを軸に、相棒を奪われ偏執的な嫉妬に陥るギャングの相方、ヒロインの幼なじみで殺人の証拠を突き止める保安官、ヒロインの母親でギャングと恋仲にあった賭場の女主人らが、2人の仲を引き離すべく重層的に絡み合うロバート・ロッセンの脚本が光る。
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雄呂血 1925
ジョセフ・フォン・スタンバーグも夢中になったという、日本のサイレント期の剣戟映画を代表する阪妻プロ作品。悪党の濡れ衣を着せられ、矛盾した世の中の偽善に堪えるも、ついにはおびただしい数の捕り手に四方を囲まれる孤立無援の若き阪妻がくりひろげる殺陣のなんという凄まじさ。
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第八連隊の鼓手 (日本未公開) The Drummer of the 8th 1913
映画黎明期にハリウッドに巨大な撮影所の街“インスヴィル”を築き、製作者のもとで監督が映画を撮るという分業システムを最初期に取り入れた、グリフィスと並ぶハリウッド映画の立役者インスは、南北戦争に出征した太鼓打ちの少年の英雄的活躍と死を通し、映画を引きしめる固定ショットの的確さと、抒情性を抑えた反戦云々とも異質の純粋な悲劇性で観客を圧倒する。
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恋はかくの如く Every Girl Should Be Married 1948
幸せな結婚に憧れながら、都会の大手デパートで働くベビー用品の売り子が、町一番の小児科医にひと目ぼれ。積極的に近づき、趣味から好物、果ては毎日のスケジュールまで調べあげ、どうにか彼を自分に振り向かせようと奮闘するロマンチック・コメディ。
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イースター・パレード Easter Parade 1948
一度は引退を表明していたアステアがケガで降板したジーン・ケリーに代わり、アーヴィング・バーリンのナンバーにのせて愛くるしいジュディ・ガーランドと優美なアン・ミラーを相手に、ダンスの“粋”をみせてくれる、鮮やかなテクニカラーも印象的なMGMミュージカルの決定版。
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