東京の英雄 1935

義理の母に育てられ新聞記者になった男が、金鉱採掘事業の投資詐欺で蒸発していた父親の不正を暴くというもので、清水宏のオリジナル作品(源尊彦は清水のペンネーム)。30年代のハリウッド製犯罪活劇の香りもただよわせたモダンでペシミスティックな力作。

1935/モノクロ/サイレント(サウンド版)/64分/ 松竹蒲田
(監)清水宏 (原)源尊彦(清水宏) (脚)荒田正男 (撮)野村昊 (音)早乙女光 (出)藤井貢、吉川満子、桑野通子、三井秀男、岩田祐吉、突貫小僧、横山準(爆弾小僧)、市川美津子
Dec 31, 2015 (thu)

メアリーと秘密の王国 Epic 2013

「アイス・エイジ」シリーズや「ブルー 初めての空へ」等のCGアニメのヒット作を手掛けるブルー・スカイ・スタジオ製作による、森に住む“小さな人”の世界に迷い込み、王国存亡の鍵を握ることになった少女の大冒険を、最新のCG技術を駆使しリアルな映像感覚で描いたファンタジー・アドベンチャー。

2013/カラー/102分/ 20世紀フォックス
(監・脚)クリス・ウェッジ (原・製)ウィリアム・ジョイス (撮)ヘナト・ファルカオン (音)ダニー・エルフマン (声)高垣彩陽、小野大輔、小山力也、本田貴子(日本語吹替え版)
Dec 30, 2015 (wed)

長い灰色の線 The Long Gray Line 1955

ウェスト・ポイント陸軍士官学校の体育教官として50年勤めた軍曹が、旧知の大統領に解職を撤回するよう求め、波乱の半生を振り返る、ダイナミックでポエティックなフォード節全開の感動作。士官候補生たちによるはなむけの長い灰色の隊列を閲兵台から見守るタイロン・パワーの姿に涙せずにはいられない。実在した軍曹マーティン・マーの自伝の映画化。

1955/テクニカラー/138分/ コロムビア
(監)ジョン・フォード (脚)エドワード・ホープ (撮)チャールズ・ロートン・ジュニア、他 (音)ジョージ・ダニング (出)タイロン・パワー、モーリン・オハラ、ドナルド・クリスプ、ウォード・ボンド、ロバート・フランシス、ベッツィ・パーマー
Dec 27, 2015 (sun)

鍬と星 (日本未公開) The Plough and the Stars 1936

アイルランド市民軍の指揮官として独立蜂起に参戦する夫と、夫の戦死を恐れ悲嘆に暮れる妻の姿が、同じフォードによる前年の「男の敵」同様、表現主義的な暗さを帯びるダブリンの町で、エモーショナルに描かれる。英軍に街が制圧され、アイルランドの国旗が宙を舞い落ちる見事なシーンは、フォード流の犠牲者への敬意の表れだろう。

1936/モノクロ/67分/ RKO
(監)ジョン・フォード (原)ショーン・オケイシー (脚)ダドリー・ニコルズ (撮)ジョセフ・H・オーガスト (音)ロイ・ウェッブ (出)バーバラ・スタンウィック、プレストン・フォスター、バリー・フィッツジェラルド、デニス・オディア
Dec 26, 2015 (sat)

大空の闘士 Airmail 1932

空を翔ける複葉機、嵐や吹雪等の悪天候、男の無事を祈る女、郵便飛行士という危険な職業を通して空を飛ぶことに情熱を注ぐ男同士の友情。このフォードの作品にはジャンルにおける魅力が全てつめこまれている。ハワード・ホークスの「コンドル」と並ぶ航空映画の白眉である。

1932/モノクロ/83分/ ユニヴァーサル
(監)ジョン・フォード (脚)デイル・ヴァン・エヴリー、フランク・ウィード (撮)カール・フロイント (音)デヴィッド・ブロークマン (出)ラルフ・ベラミー、パット・オブライエン、グロリア・スチュアート、リリアン・ボンド、スリム・サマーヴィル
Dec 25, 2015 (fri)

僕は戦争花嫁 I Was A Male War Bride 1949

ケイリー・グラントは、「赤ちゃん教育」、「ヒズ・ガール・フライデー」と、ホークスのコメディ映画にあっては、面白さがハンパない。米軍女性兵士の外国人配偶者となり“男性の戦争花嫁”としてアメリカへ入国することになり、男子禁制のねぐらを転々とさせられたり、女装するハメにまでなったりと、ここでも絶好調である。

1949/モノクロ/105分/ 20世紀フォックス
(監)ハワード・ホークス (脚)チャールズ・レデラー、レナード・スピゲルガス、他 (撮)ノーバート・ブロディン (音)シリル・モックリッジ (出)ケイリー・グラント、アン・シェリダン、マリオン・マーシャル、ランディ・スチュアート
Dec 23, 2015 (wed)

家族会議 1936

セリフの面白さや言葉のモンタージュから生まれるニュアンスを大事にし、そこから良い演技を導き出すというトーキー・リアリズムを実践した島津保次郎の最も脂の乗った時期の一本。高田浩吉の策略で株価が大暴落し破産に追いやられる佐分利信を取り巻く、高杉早苗、及川道子、桑野道子の女優陣の個々の魅力が光る。

1936/モノクロ/71分/ 松竹大船
(監)島津保次郎 (原)横光利一 (脚)池田忠雄 (撮)桑原昴、水谷至宏 (音)早乙女光 (出)佐分利信、高田浩吉、高杉早苗、及川道子、桑野道子、志賀靖郎、藤野秀夫、水島亮太郎
Dec 22, 2015 (tue)

アガサ・クリスティー トミーとタペンス -2人で探偵を- 「NかMか」 Agatha Christie's Partners in Crime: N or M? (Part 1, Part 2, Part 3) 2015

好奇心旺盛な行動派の妻タペンスと慎重派の夫トミーの対照的なコンビが活躍するアガサ・クリスティー原作の人気ミステリー「おしどり探偵」のドラマ化による「トミーとタペンス -2人で探偵を-」の第4~6話。イギリスBBC他制作で、日本ではNHKで放映。核兵器開発プロジェクトに関わっていた科学者が姿を消し、軍情報部幹部のおじから極秘任務を受ける。

2015/カラー/54+54+54分/ エンダー・プロ、他
(監)エドワード・ホール (脚)クレア・ウィルソン (撮)デヴィッド・ヒッグス (音)ティム・フィリップス (出)デヴィッド・ウォリアムス、ジェシカ・レイン、ジェームズ・フリート、マシュー・スティア、クリスティーナ・コール
Dec 12, 14, 15, 2015 (sat, mon, tue)

太陽は光り輝く The Sun Shines Bright 1953

「よく観たくなる作品がひとつある。「太陽は光り輝く」だ。本当に私のお気に入りなんだ。」(ジョン・フォード)

1953/モノクロ/102分/ アーゴシー・ピクチャーズ
(監)ジョン・フォード (原)アーヴィン・S・コッブ (脚)ローレンス・ストーリングス (撮)アーチー・スタウト (音)ヴィクター・ヤング (出)チャールズ・ウィニンジャー、アーリーン・ウェラン、ジョン・ラッセル、ステッピン・フェチット
Dec 9, 2015 (wed)

海賊島 1950

戦後の大映時代劇を支えた安田公義が監督デビュー翌年に撮ったアクション活劇。プログラム・ピクチャー特有のスピーディな展開で見せ場も多く、気楽に楽しめる。岡譲二演じる神出鬼没の怪傑"禿鷹"の活躍をロマンスを絡めて描いた、「禿鷹」シリーズ第2作。水ノ江瀧子が恋心に揺れる海賊の女親分にふんする。

1950/モノクロ/73分/ 大映
(監)安田公義 (脚)倉谷勇 (撮)竹村康和 (音)宮原康郎 (出)岡譲二、夏川大二郎、水ノ江瀧子、利根はる恵、菅井一郎、若杉須美子、加藤武門
Dec 8, 2015 (tue)