鄙より都会へ Bucking Broadway 1917
襤褸と宝石 My Man Godfrey 1936
気がふれたような富豪令嬢を演じるキャロル・ロンバードのスクリューボールぶりが超絶で、見事オスカーの主演女優賞にノミネート。スカベンジャーハントで連れてきたホームレスの男が 実は浮世を捨てた名門出の男で、次第に心ひかれていく。大恐慌時の格差社会を徹底的に風刺したロマンチック・コメディの佳作。
|
海兵隊の誇り (日本未公開) Pride of the Marines 1945
ガダルカナルの激戦地で手榴弾を受けて失明し、再会を約束した婚約者に事実を隠し通そうとするジョン・ガーフィールドは、自分に素直になれない反抗的な役柄をいつもよりひときわ素晴らしく演じている。D・デイヴスの4作目だが、脚本畑の監督にありがちな説明過多な演出からまだ抜け切れていないものの、見応え十分の感動のヒューマンドラマに仕上がっている。
|
デスティネーション・トーキョー (日本未公開) Destination Tokyo 1943
空襲に備えて敵国の気象情報を入手すべく東京湾潜航の極秘任務を受けた米海軍潜水艦乗組員たちの人間模様と、スリリングな作戦遂行の過程を並行して描いた、脚本家上がりのD・デイヴスの監督デビュー作だが、いかんせん多くを語りすぎでストーリーが散漫になってしまっている。ジョン・リジリーがヘンな日本語を話す。
|
ノーボディ・リヴズ・フォーエヴァー (日本未公開) Nobody Lives Forever 1946
ハリウッドの“赤狩り”の影響(と言われている)で持病の心臓病を悪化させ39才の若さで他界したジョン・ガーフィールド。ハードボイルドな人物像の裏に隠された憎めない人懐こさのようなものが本作でもよく現れている。相棒の枯れたチンピラにふんした名脇役ウォルター・ブレナンの燻し銀のような哀感漂う演技も特筆もの。
|
キートンの大列車追跡 The General 1926
恋人を乗せた蒸気機関車“将軍号”を北軍のスパイに盗まれた機関士のキートンが、愛車と愛する人を奪還すべく敵軍相手に大暴れする超ド級のスラップスティック機関車チェイス!久石譲氏がスコアを担当し、2006年にフランスでリバイバル公開されたサウンド版がすばらしい。
|
インディアンの郵便で (日本未公開) By Indian Post 1919
このフォードのごく初期の西部劇は、“シャイアン・ハリー”シリーズの「回春録」と「空拳」のあいだに撮られた2巻もので、“紙”を偉大な伝達手段と考える原住民が、1通のラブレターを人から人へと見せてまわり、最後には恋人へ行き着くというコメディだ。
|
ワイルド・オレンジ (日本未公開) Wild Oranges 1924
2006年にTCMの尽力で甦ったキング・ヴィダーの幻のサイレント作品。うっそうと緑が茂るフロリダ沖の孤島。不慮の事故で妻を亡くした過去のある船乗りと南北戦争の後遺症で何事にも怯えてしまう祖父の血を引いた若い娘による、野生のオレンジのような甘酸っぱい恋の駆け引き。ふたりの仲を裂こうとする獣のような凶悪脱獄犯と主人公の格闘が壮絶。グリフィスの「愛の花」のように美しい作品。
|
女ハムレット Hamlet 1920
デンマーク出身の伝説的大女優アスタ・ニールセン製作・主演による“女性版”ハムレット。オリジナル着色版が2007年に本国ドイツで復元され、再び陽の目を見た本作は、その圧倒的な力強さとエロチシズムで、倒錯的なシェークスピアの世界に観る者を陶酔させる。親友のホレイショーに強く惹かれながらも、女であることを隠し通さねばならぬ、ハムレット王子にふんしたニールセンの絶望の表情が胸を突く。
|
チェス狂 Шахматная горячка 1925
“クレショフ工房”から巣立った旧ソ連の巨匠V・プドフキンによる軽快なスラップスティック・コメディ。プドフキンといえばモンタージュ理論を実践した重苦しいテーマの社会派だが、ここではアメリカ映画のように明るい。1920年代のモスクワの空前のチェス・ブームを背景に、チェスに熱をあげる若者とそれに愛想を尽かして服毒自殺を決意する婚約者がチェスの虜になるまでをコミカルに描く。
|
カメラを持った男 (これがロシアだ) Человек с киноаппаратом 1929
ロシアの表情と人々の生活を、二重焼き、ストップ・モーション、スロー・モーション、ジャンプ・カット、早回し、画面分割といった映画技巧を詰め込み、独特のリズムと詩情ですくいとる。物語性や劇映画性を否定し、カメラによる視覚から映画の本質を描くことに挑んだ、ロシア未来派の映画作家ジガ・ヴェルトフによる、野心と遊び心あふれる前衛ドキュメンタリーの傑作。
|
賭博地獄マカオ (日本未公開) Macao, l'enfer du jeu 1940
サイレント期から60年代にかけて主にハリウッドとフランスで活躍した日本を代表する国際的映画スター、早川雪洲がマカオを牛耳る賭博王にふんし、シュトロハイム演じる密輸船の船長と互角に渡りあう魅惑のフレンチ・フィルム・ノワール。
|
決闘ブラックヒル Guns of Wyoming/Cattle King 1963
健全な牧場主と土地開放を企む悪者が、ワイオミングの広大な牧草地帯を舞台に対決する。ヒロインのジョーン・コールフィールドが凶弾に倒れる意表を突く展開に、一瞬で終わる決闘シーンが待っている。
|
渡るべき多くの河 Many Rivers to Cross 1955
原住民の襲撃から猟師の娘に命を救われ、その父親から娘との結婚話を持ち出されてしまった二枚目主人公が、ケンタッキーの山中を逃げ回るコメディ・ウェスタンの快作。
|
激怒の島 (日本未公開) Isle of Fury 1936
地図に記されていないため、前科者たちにとって絶好の隠れ処となっている南海の孤島で天然真珠の採取業を営むボギーとその妻のもとへ漂着した謎の男。彼らは次第に打ちとけていくが・・・・ モーム原作のミステリアス・ドラマで、海底に棲む大ダコにボギーが巻きつかれたりして意表を突かれる。
|
アイス・エイジ2 Ice Age: The Meltdown 2006
温暖化による大洪水の危機に瀕した氷河期の地球を舞台に、マンモスのマニー、ナマケモノのシド、サーベルタイガーのディエゴの救世主3匹が、新キャラのマンモスの娘エリーと2匹のフクロネズミを連れて、完璧なチームワークと不屈の勇気で動物たちを安全な陸地へと大移動させる“ノアの箱舟”的なストーリーによる、温暖化への警鐘をはらんだブルー・スカイ・スタジオ製作のシリーズ第2弾。
|
ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険 Необычайные приключения мистера Веста в стране большевиков 1924
ソ連の首都モスクワを視察に訪れたアメリカ人ブルジョワのウェスト氏が、ボリス・バルネットふんするカウボーイ(!)のボディガードのエスコートで町を見学するはずが、怪しいボリシェヴィキのギャング団に拉致されてしまう旧ソ連製コメディ・ウェスタン!? モンタージュ理論の先駆者クレショフの映画実験工房による作品で、そのアメリカ映画的な作りに驚く。
|
登録:
投稿 (Atom)